CPU、GPU、パワーエレクトロニクス、EV関連部品では、熱伝導グリスがチップとヒートシンクの間で熱を伝える重要な役割を持っています。
しかし、長時間使用すると、グリスが硬くなる、乾く、または Pump-out(ポンプアウト)現象が起こり、熱抵抗が大きく上がることがあります。
多くの場合、原因は導熱フィラーではなく、ベースに使うシリコーンオイルの選定にあります。
なぜ熱伝導グリスは劣化するのか?
熱伝導グリスは、主にアルミナや窒化ホウ素などの熱伝導フィラーと、キャリアとなるシリコーンオイルで構成されています。
一般的なジメチルシリコーンオイルを使用すると、高温で長時間動作する間に、低分子成分が少しずつ揮発することがあります。
その結果:
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グリスが乾いて硬くなる
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フィラーが凝集しやすくなる
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チップ表面との密着性が低下する
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熱抵抗が上がり、放熱効率が落ちる
さらに、よく起こる問題が Pump-out 現象です。
加熱と冷却を繰り返すと、チップとヒートシンクは異なる割合で膨張・収縮します。低粘度のシリコーンオイルは、この動きによって接触面から徐々に押し出され、中央部が乾き、端部に油がたまることがあります。
解決策:フェニルシリコーンオイル
高性能な熱界面材料(TIM)では、従来のPDMSの代わりにフェニルシリコーンオイルを使うケースが増えています。
主なメリットは以下の通りです。
これにより、高温環境で長時間使用しても、熱伝導グリスの性能を安定させやすくなります。
フェニルシリコーンオイルの選び方
熱伝導グリス用に選ぶ場合は、以下のポイントを確認することが重要です。
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揮発分: 0.1%以下(200℃ / 24h) が理想。長期使用で乾きにくくなります。
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フェニル含有量: 5%〜20% 程度が目安。耐熱性と相溶性のバランスが取りやすいです。
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粘度: 一般的には 100〜1000 cSt。フィラー量やPump-out対策に合わせて選びます。
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外観: 無色透明。電気絶縁性を重視する用途に適しています。
まとめ
熱伝導グリスの乾燥は、単なる経年劣化ではなく、材料選定の問題であることが多いです。
一般的なPDMSはコスト面では有利ですが、揮発性や移行性の面で、高出力電子機器には限界があります。
低揮発フェニルシリコーンオイルを使うことで、Pump-outを抑え、熱伝導グリスの寿命を延ばし、長期間安定した放熱性能を実現しやすくなります。
低揮発フェニルシリコーンオイルや、熱伝導グリス配合の技術サポートをお探しでしたら、お気軽にご相談ください。
公式サイト: www.siliconeoil.net
E-mail: zyf@siliconeoil.cn
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