2023年10月 —— 材料科学の分野では、セラミック化技術がその独自の性能によって、新たな材料革命を牽引しています。セラミック化材料は、優れた耐熱性、耐酸化性、耐腐食性を備えているだけでなく、高温熱分解によって有機前駆体から高性能セラミックへと変換可能であり、航空宇宙、エネルギー、電子などのハイエンド分野で広く活用されています。このような背景のもと、IOTA-9120 有機ポリボロシラザンは、革新的なセラミック化前駆体ポリマーとして、その優れた特性と広範な応用可能性により、材料科学界の注目を集めています。
セラミック化材料の主要な特長
セラミック化材料の最大の特長は、高温熱分解により有機ポリマーから無機セラミックへと変換できる点にあります。これにより、有機材料の加工のしやすさと、セラミック材料の高性能特性を兼ね備えています。以下はその主要な特長です。
-
耐高温性能:極端な高温環境でも安定を維持し、航空宇宙エンジンや高温炉などの用途に適用可能。
-
高強度・高硬度:優れた機械的特性を持ち、高い応力や摩耗にも耐えられる。
-
耐酸化・耐腐食性:酸化や化学腐食に対する優れた耐性を持ち、過酷な環境下でも安定性を保持。
-
軽量かつ高強度:密度が低く、強度が高いため、軽量設計が可能。
-
多機能性:熱分解条件を調整することで、異なる組成のセラミックを得ることができ、多様なニーズに対応可能。
IOTA-9120:セラミック化技術の優れた代表例
IOTA-9120 有機ポリボロシラザンは、セラミック化技術をベースとした高性能前駆体ポリマーであり、セラミック化材料の特長を維持しつつ、さらなる性能向上と応用価値の向上を実現しています。
製品の特長
-
高効率なセラミック化性能
IOTA-9120 は高温熱分解後に耐熱性の高い SiBCN セラミックへと変換され、セラミック収率は 50%以上に達します。また、熱分解の雰囲気(窒素、アルゴン、アンモニア、空気など)を調整することで、SiC、Si₃N₄、SiBOCN など、異なる組成のセラミックを得ることが可能です。
-
多様な硬化方式
IOTA-9120 は 120-180℃ で架橋硬化することができ、また 白金触媒の存在下では 80-100℃ でシランカップリング反応による硬化も可能です。硬化時間は 2~5 時間と短く、生産効率を大幅に向上させます。
-
優れた加工性
液体前駆体として、低粘度(10,000-20,000 cp)、高固形分(99.9%) の特性を持ち、含浸、コーティング、射出成形 などの方法で加工が可能です。その後、高温熱分解を経てセラミック化されます。
-
広範な応用分野
IOTA-9120 は、セラミック基複合材料(CMCs)、金属基複合材料、高耐熱接着剤、耐食性コーティング、抗酸化コーティング など、幅広い分野に適用できます。
-
優れた接着性
金属、セラミック、グラファイトなどの材料に対して高い接着性 を示し、高性能接着剤やコーティング材料として使用可能です。
応用分野
IOTA-9120 の登場により、以下のような ハイテク産業 に新たな材料ソリューションを提供できます。
-
航空宇宙:耐高温エンジン部品、熱防御コーティングの製造。
-
エネルギー:高温炉、原子炉の耐食性コーティング。
-
電子機器:高性能セラミック基板やパッケージ材料の開発。
安全性と保管
IOTA-9120 は、換気の良い乾燥した環境 で使用し、適切な保護対策を講じる必要があります。未開封の状態での保存期間は 6 ヶ月 であり、開封後は密封し低温で保管 すれば、2 ヶ月以上の安定性 を維持できます。
結論
IOTA-9120 有機ポリボロシラザン は、その卓越したセラミック化性能と幅広い応用可能性により、材料科学分野の革新的な新素材として注目されています。セラミック化技術のさらなる発展とともに、IOTA-9120 は 航空宇宙、エネルギー、電子機器 などの分野で重要な役割を果たし、材料科学の進歩を加速 させることが期待されています。
IOTA-9120 に関する詳細情報については、弊社の営業チームまでお問い合わせください。
免責事項:本書に記載されている製品の特性および応用情報は、参考目的のみです。実際の使用に際しては、製品の取扱説明書および専門家の指導に従ってください。
|