「リキッドガラス」が消費市場で注目を集める一方で、工業・新エネルギー分野におけるシリコーン産業の基盤を支えているのは、成長著しい二つの高性能製品：太陽光モジュール用シリコーンシーラントとバッテリー封止用ゲルです。2025年12月時点で、これらの分野は市場で最も安定した成長の牽引役となっています。

中国接着剤工業協会によると、2025年前三四半期の太陽光グレードシリコーンシーラントの出荷量は前年比52％増、熱伝導性・難燃性バッテリー用シリコーンは68％増でした。主要企業である回天、シーボ、集泰の生産ラインはフル稼働で、受注は2026年第2四半期まで埋まっています。

なぜこれほど需要が高いのか？

• 太陽光発電の拡大： 世界の新規設置容量は600GW超が予想され、二重ガラスモジュールの普及率は50％以上。1GWあたり約800〜1,000トンの高性能シリコーンシーラントが必要で、標準製品では代替できません。

• EVの安全性向上： 電池の熱暴走リスクに対応するため、メーカーは高熱伝導（≥2.0 W/m·K）、高絶縁、再作業可能なシリコーンを採用。高級EVでは3〜5kg使用し、内燃車の7倍以上に達します。

これらの製品は高い技術障壁、長い認証期間（1〜2年）、強い顧客ロイヤルティが特徴です。CATL、LONGi、Sungrowなどのサプライチェーンに入れば、**35〜45％**の安定した利益率を確保でき、汎用DMC（<15％）を大きく上回ります。

業界の合意として、過剰生産と価格変動の中で、太陽光、蓄電、電気自動車などの成長分野に参入することが、持続的な成長の鍵です。「リキッドガラス」は話題を生みますが、太陽光用・バッテリー用シリコーンこそが産業の真の安定材であり、将来の主軸です。