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  • 白金触媒の中毒を徹底解説:なぜ付加硬化型シリコーンゴムが硬化しないのか?


    付加硬化型液状シリコーンゴム(LSR) の生産や使用で、最も頭を悩ませるトラブルのひとつが「硬化しない」問題です。

    混合した後もなかなか固まらない、表面がベタつく、または一部だけ硬化不良になる。こうした現象は、必ずしもシリコーン自体の品質問題とは限りません。

    多くの場合、原因は 白金触媒の中毒 です。

    付加硬化型シリコーンは、白金触媒の働きによってビニル基とSi-H基が反応し、架橋して硬化します。しかし白金触媒は非常に繊細で、特定の元素や化合物に触れると活性を失いやすく、硬化反応が止まってしまうことがあります。


    白金触媒の「天敵」とは?

    付加硬化型シリコーンの硬化は、ビニルシリコーン含水素シリコーンオイルが、白金触媒の作用で反応することで進みます。

    しかし、白金はとても敏感な触媒です。

    **硫黄(S)、リン(P)、窒素(N)**を含む化合物や、**スズ(Sn)、鉛(Pb)**などの重金属に触れると、白金の活性中心がふさがれたり破壊されたりして、反応が進まなくなります。


    白金触媒中毒を起こしやすい4つの原因

    1. 含硫黄化合物:最も危険な原因

    硫黄は白金触媒にとって最も強い阻害物質のひとつです。

    例えば、縮合型RTVシリコーンでは、有機スズ触媒が使われることがあります。以前に縮合型シリコーンを扱った容器やヘラ、金型を十分に洗浄しないまま付加硬化型シリコーンに使うと、残留したスズや硫黄によってすぐに硬化不良が起こることがあります。

    そのほか、以下のようなものも原因になります。

    • 天然ゴム、ラテックス手袋

    • 含硫黄石けん

    • 一部の樹脂

    • 硫黄を含むゴム製品


    2. リン・窒素を含む化合物

    一部のエポキシ樹脂硬化剤、ポリウレタン材料、アミン系化合物には、リンや窒素を含むものがあります。

    こうした材料の上に付加硬化型シリコーンを流し込むと、接触面だけ硬化しないことがあります。

    特に、複合材料の接着、電子部品のポッティング、型取り作業などでよく見られるトラブルです。


    3. 重金属や微量汚染物

    スズだけでなく、鉛などの重金属も白金触媒の活性を低下させます。

    また、意外と見落とされがちな汚染源もあります。

    • 手の汗

    • ハンドクリームや化粧品

    • タバコの煙

    • 汚れた作業台

    • 前工程で残った薬品

    この場合、内部は硬化しているのに、接触した表面だけベタつくことがあります。


    4. 多価アルコールや一部の溶剤

    グリセリンエチレングリコールなどの水酸基を含む化合物、また一部の有機溶剤も、白金と錯体を作り、触媒活性を低下させることがあります。

    ひどい場合には、硬化反応そのものが完全に止まってしまいます。


    中毒の症状はどのように現れるのか?

    白金触媒中毒は、汚染物の量や接触時間によって症状が変わります。

    軽度の中毒:表面だけベタつく

    シリコーン内部は硬化しているのに、金型や基材に触れていた表面だけが油っぽく、ベタついて乾かない状態です。

    これは、金型表面の離型剤残りや、前工程の化学物質残留が原因で起こることが多いです。

    重度の中毒:まったく硬化しない

    A剤とB剤を混合した後、加熱しても、長時間置いても、液体のままで粘度変化もほとんどない状態です。

    この場合、混合時に硫黄やスズを含む不純物が入り込み、触媒系全体が失活している可能性があります。


    解決策と予防方法

    白金触媒中毒は、発生してから直すより、事前に防ぐことが重要です。

    1. 工具を完全に分ける

    付加硬化型シリコーンに使う容器、ヘラ、撹拌機、注型設備は専用にするのが基本です。

    縮合型シリコーンで使った工具と共用するのは避けてください。

    どうしても共用する場合は、徹底した洗浄と加熱乾燥が必要です。


    2. バリア層を使う

    エポキシ樹脂、ポリウレタン、3Dプリント樹脂など、触媒毒を含む可能性がある材料にシリコーンを流す場合は、事前に専用のバリアコートやシーラーを塗布することをおすすめします。

    これにより、汚染物が白金触媒に直接触れるのを防げます。


    3. 抑制剤を適切に使う

    抑制剤は主に可使時間を延ばすために使われます。

    ただし、一部の改良型抑制剤は、高純度原料と組み合わせることで、微量汚染物への耐性をある程度高めることがあります。


    4. 硬化温度を上げてみる

    ごく軽い中毒や低温による反応遅れであれば、硬化温度を室温から 80〜100℃ 程度まで上げることで、反応が進む場合があります。

    ただし、硫黄やスズによる重度の中毒では、温度を上げても改善しないことがほとんどです。


    まとめ

    付加硬化型シリコーンは、高透明、低臭気、高性能という大きなメリットがあります。

    その一方で、白金触媒を使うため、硫黄、リン、窒素、スズ、鉛などの汚染物には非常に敏感です。

    安定して硬化させるには、材料選定だけでなく、作業環境、工具管理、基材処理まで含めた管理が重要です。

    シリコーンゴムの硬化不良、配合調整、または高純度白金触媒やシリコーン原料についてご相談がある場合は、IOTA Silicone Oil までお気軽にお問い合わせください。

    ウェブサイト: www.siliconeoil.net

    メール: zyf@siliconeoil.cn



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